おもしろき こともなき世を おもしろく  すみなすものは “感動” なりけり

別に世の中的な「追い風」に便乗するわけではないが、いや、ホントに。

半沢直樹や鬼滅の刃、ぼくも大好きです。

こういうメジャー(になってしまった)ものは、それを取り巻くマジョリティのあの「お祭り騒ぎ」感がどうもダメで、ふつうは触れずに避けて済ませるのですが……この2作品については、その不快感を上回るほど感動させてもらったので、書こうと思います。

■半沢直樹部長って……

経歴をみると、

金沢市立線西小学校 → 市立線山中学校 → 県立金沢星条高校を経て慶應義塾大学経済学部を卒業→産業中央銀行に入行

ほう、学校もきちんとマトモに出ているようだし、一流大学に一流企業……申し分のない「社会適格者」ではないですか。

ほうほう、大学では、体育会の剣道部に所属……ほうほうほう。これは世の中のマジョママ(マジョリティなママたち)や昭和の面接官のオッサンらが一様に拍手喝采するカンジだ。

ところが……。

この胡散臭い……もとい、カガヤカシイ経歴が、すべて「ある計画」のための「道具」だったところに、半沢直樹の「どスペシャル」さが隠れているように思えてなりません。

あ、まちがえた……
しかしこれ、同じ人が演じてるとは思えないなぁ……。

半沢直樹は、お父さんの恨みを晴らすために、ものすごい努力をして、目標の銀行に入行し、そこで苛烈なシゴトをこなしていきます。長い年月をかけて、大変な努力を自らに強いて、目的を遂げるわけです。

第1シリーズの最終回では、ついに宿敵・大和田常務を、役員会の真っ最中に土下座させるという超荒業を果たしてしまいます。

まぁ、それが原因なのか、「やりすぎだぞ、半沢」という頭取の言葉とともに、子会社に出向(左遷)されるわけですが……。

あの土下座シーンの、「やれぇぇぇぇぇぇっ! おおわだぁぁぁぁぁぁぁっ!」

という絶叫シーンなどは、完全に、「あ、この人、ぜったいスペシャルだ」と思って、別の意味でぼくはほくそ笑んでしまいました。

今回の第2シリーズでも、「倍返しだ!」は健在で、このセリフを言うときの半沢の表情は、スペシャルがブチ切れたとき特有の表情だなぁと、今回もまたほくそ笑んでしまいました。

ちなみに、うっかり間違えてしまった写真は、同じ堺雅人さん演じる「リーガル・ハイ」の古美門研介ですが、この人もまた超どスペシャルですね。

ぼくとしては、こっちのキャラの方が好きなのですが。

古美門の信念は、

「自分たち弁護士は神ではないのだから、真実が何か知ることなど出来るはずもなく、情を完璧に捨て、依頼を完遂し勝つ事に専念すべき」

というものですが、これ、なかなか人間心理に即した「本質」のように思えます。

あのドラマは、コミカルですが、要所要所に古美門の非常に高度な「哲学的本質」が表現されています。これが、キレイゴトや偽善の真反対で、実に面白い!

このてのどスペシャルが主人公のドラマとしては、ガリレオや99・9などがあります。どのドラマも、非常にスペシャルについて「あ、よく解かってるなぁ」と思わせる描写が多く、楽しいですね。

そういえば、堺雅人という俳優も、なんか素でスペシャルの匂いがするなぁ。

けっこうギリギリの表情だよなぁ。

そういえば、「ツレがウツになりまして」なんて作品もありました。

基本的に、どスペシャル役がハマるんでしょうね。

こういう俳優、大好きです!

■どいつもこいつもほとんど全員どスペシャルな鬼滅の刃

この漫画、なにやら異常な人気で、気がつくと超メジャーコミックになってしまいましたが、発表当初は、非常にアングラ的なマニアックな匂いがプンプンでした。

それでぼくも第1話から読んでいたのですが、さすが少年ジャンプ。いつの間にか、毒気をすっかり抜いて、いつもの「困難に仲間とともに打ち克ち、成長する感動物語」に「矯正」……じゃなかった、修正していきましたね。

これはこれで、圧倒的な筆力と世界観で、感動は残っていますが、まぁその登場人物の濃いこと濃いこと。

主人公の竈門炭治郎のめちゃめちゃアスペルガー的な性質はいうに及ばず、妹の禰豆子しかり、仲間の我妻善逸しかり、嘴平伊之助もまたしかり。

それだけではありません。「柱」の面々も、「どっちが敵方だ?」と途中から読んだ人は迷ってしまいそうなほど、キャラが濃く、悪役ギリギリ寸前で善役……みたいなツワモノばかり。

このあたりが、従来の勧善懲悪マンガのつまらなさから、この作品を守っているわずかに残った「毒気」だと思うのですが、まぁその面々のスペシャル具合に、毎回毎回楽しませてもらっておりました。

「柱」たちに比べたら、「鬼」たちの方がずっと人間的な背景があったんじゃないの? と時折思うほどでした。

とにかく、この漫画の醍醐味は、そのような登場人物たちのスペシャルさにあったといって過言ではないように思います。

作者の吾峠呼世晴さんは、その初期作品、「過狩り狩り」「文殊史郎兄弟」「肋骨さん」「蠅庭のジグザグ」などもとても面白いですよ。

タイトルからして、超アングラです。このあたりの世界観が、本来この方の紡ぎだしてきた独特の世界観なのでしょうね。

「鬼滅の刃」に直結するような物語は、「吾峠呼世晴短編集」でも読むことができます。

■まとめ

どスペシャルの存在が、脚光を浴び始めてきたようです。

それまでは、一部のマニア受けだったこのての人物たちが、いま、大手を振って主人公として活躍し始めています。

それは、一時の流行としてキワモノ的な飛び道具扱いされてしまっている感は否めません。

でも、それでもいいんじゃないでしょうか。

「くら~い」とか「キモ~い」とかいう浅薄な表現で片づけられてきた彼らが、堂々と活躍できていることは、多様性が少しは実現されてきた証だと、ぼくは思いたい。

今後のドラマや漫画、アニメ等で、次々とどスペシャルなやつらが大活躍する名作が登場することを期待してやみません。


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